市販のバンドスコアは本当に正確?資料とツールから見極める3つのステップ

バンドスコアを見ながら、ギターを練習していると、こんな疑問はないでしょうか?

「これって本当に原曲と合ってるの?」

ある程度ギターが弾けると、市販のバンドスコアに対して信憑性を疑うようになります。

今回はそんな疑問を深掘りします。

市販のバンドスコアは正確なのか?

同じ曲のバンドスコアでも出版社によって、演奏表記や音符の長さなどに違いがあるはずです。

私自身、数多くバンドスコアやギタースコアを買い漁ってきましたが、同じ曲でも採譜に違いがあることが頻繁にありました。

出版社が違えば、当然のことですが、やはり譜面内容を完全に統一するのは不可能でしょう。

さて、ギターの場合ですと、和音の構成音やギターソロのフレットボードの位置がA社とB社で全く違うといった事が度々あります。

楽器を始めた初心者の場合、一体どれが正解なのか見当がつかず、手探りの状態で練習すると思います。

こうした悩みを解決するには、どうするべきか説明します。

実際の譜面起こしの実態

その前に、そもそもバンドスコアというのは、第三者が原音を聴いて、それを五線譜に起こしただけの紙に過ぎません。

実際のところ演奏した本人でないと分からないのが事実です。ただ、これも演奏した本人ですらレコーディング時にどう弾いたのか分からない場合だってあります。

ですから、一番信頼のおけるスコアというのは本人が監修しているかどうかです。

しかし、本人監修のスコアというのは、非常に稀なケースなため、欲しいと思っている楽曲の楽譜が監修されていること自体、期待しない方がいいでしょう。

そもそも楽譜自体が売られていないケースがほとんどです。また、担当した演奏者が故人だったり、

映像資料が一つも残っていなかったら、もはや自分の耳だけが頼りです。

これらの事を踏まえると、市販の楽譜は採譜者の力量によるもので、予測に基づいて作られています。なので、100%正確なスコアはないと思います。

巷で聞く、「楽譜に頼らず、自分の耳で聴け」というアドバイスも合点がいくような気がします。

私自身、ギターの採譜という仕事をしているので、ありとあらゆるツールを駆使して譜面起こしをしています。

こう弾いてるんじゃないかという予測は常で、技術も必要です。

少しでも役に立てたらという思いを糧にやっていますが、やはり最終的な正確性の判断は弾き手の受け取り方に委ねられます。

では、どうしたら正しい自己判断を出来るか?

それは出来るだけ「資料を集める」です。どういうことか3つのステップで説明します。

資料とツールから見極める3つの方法

今のご時世、どうやって弾いてるのかを調べるには様々な方法があります。

雑誌からの情報収集

まずは、雑誌から対象となるアーティストのバックナンバーを手に入れましょう。

勿論ある事が前提となりますが、どんな機材を使って、どんな風に弾いてるのか写真と記事があるだけでも全然違います。

情報量の差はあれど、インタビュー文の記事は全部読んでおきましょう。

バックナンバーの入手先は近所のブックオフを勧めたいですが、品揃えにもよるので、ネットの方がいいでしょう。

ちなみにamazonよりもメルカリを強くお勧めです。

要らなくて出品する人が多く、毎日何がしらバックナンバーの雑誌が更新されてるからです。

映像からの判断

原曲をどう弾いてるのか分からなくて、YouTubeをチェックして調べているギタリストは多いことでしょう。

ここで注意しておきたいのが、必ず本人が弾いている動画を観ることです。

ただ、それがミュージック・ビデオの場合は、もしかしたら参考にならないかもしれません。

なぜなら、本人が当て振りで弾いてたり、手元がよく見えなかったり、演奏シーンの無い映像で脚色されてる場合が多いからです。

ですから参考にするのであれば、ライブバージョンを観るのをお勧めします。

もしかしたら、ギタリストにカメラワークの焦点が合っていないケースもありますが、こちらの方がリアルに弾いてる姿を捉えることができます。

私はよく再生と一時停止を繰り返して研究した事がありました。とても疲弊しますが、その分、参考になります。

アプリで曲をスロー再生する

最後は、この原曲をスロー再生する方法です。もしかしたら、この方法が一番現実的かもしれません。

速度を変更できるプレーヤーを使えば、耳コピも簡単にできます。私が耳コピで使用しているMac専用アプリで、Capo3を使っています。

これは、曲を読み込むだけで、Key、ビート、コードを自動検出してくれる便利なアプリで、仕事をする時に大いに助かっています。

それでも曲によっては検出にバラつきがあったりするので、そこだけは自分で微調整をしています。

まとめ:

というわけで、結論としては自分の耳が一番の頼りです。自分が納得できなければ、自分でリサーチするしかありません。

その方法が、

STEP

雑誌からの情報収集

STEP

映像からの判断

STEP

アプリで曲をスロー再生する

 

単純な作業こそがスコアの正確性を見極める方法なのです。

ですから、今後スコアで「あれっ?」と思うことがあれば、根気強く、自分の力で3つのステップを参考にして、実行してください!