まずは、下記画像のフレーズを見て下さい。
6弦の5フレット(A音)をルート・ポジションとしたファとシの音を抜いたAmペンタトニック・スケールの上昇フレーズで、ギター教本には必ずあるというほどの定石フレーズです。
どうして、ここまでしてギター教本やギターの先生が初心者に覚えさせようとするのか、改めて述べていきます。
アドリブの基礎だから
まず、根本的な理由を申し上げますと、ギターソロを弾くための基礎だからです。
初心者ギタリストは曲を覚えるために、楽譜を読んで、コピーするのが一般的ですが、アドリブとなると何を弾けばいいのか分からないと思います。
これは最初からコードやスケールの理論を学んでないからという理由がありますが、それ以前に自分が一体どのkeyで弾いてるかすら理解してないケースも考えられます。
そんな解決策として、ペンタトニック・スケールは魔法の音階といえましょう。
これさえ覚えれば、どんな初心者でも簡単にギターソロが弾けるようになり、どんな曲にも対応出来るのです。
本当に弾けるようになるの?
まず、アドリブを弾けるようになるにはkeyを覚える必要があります。
ここでは、あまり難しい話に触れませんが、画像にあるAmペンタトニック・スケールはkeyがCメジャーとAマイナーの曲であれば、音を外すことなくギターソロを弾く事ができます。
これはピアノでいう白鍵からファとシを除いた音階。つまり、ドレミソラの5音だけを使うだけです。
この5つの音階のみを用いたフレーズを下記にいくつか紹介しましょう。どれも適当に考えたものです。
いかかでしょうか?
Ex-5のみハーモニクス音で弾きますが、構成音はすべてペンタトニック・スケールで成り立っています。
そして、どのフレーズも下記のフレット・ポジションだけで構築しています。
このポジションから音を外さなければ、誰でもAmのKeyでギターソロを弾くことが可能なわけです。あとはKeyを変えて応用するだけになりますから。
こういった理由で、初心者はペンタトニック・フレーズは絶対に覚えるべきなのです。
シンプルがゆえに難しい
ペンタトニック・フレーズが非常に簡単で誰でも弾けるのは理解できたでしょう。
ところが、このシンプルさが厄介なもので、センスが問われるのは言うまでもありません。
誰でも弾けるという事は、ありきたりなフレーズになりがちですから、どこかで聴いたような頻度が増えるわけです。
個性を出しづらい欠点はあるものの、気軽にジャム・セッションが出来て、演奏者同士でコミュニケーションが取れるのは大きな長所です。
では、どうすれば個性を活かして、マンネリから脱却できるのでしょう?
音色で差別化する
一番手っ取り早い方法はギターサウンドそのものを変えることです。
テクニックで個性が出しづらいのであれば、音色で独自性を出したほうが簡単です。
ギターアンプでやる方法としては、ツマミを思い切って歪ませる、逆にきらびやかなクリーンにするやり方があります。
ギターエフェクターを使う方法がオススメですが、ワウやディレイのような誰もが使うペダルではなく、思い切ってピッチシフター、ハーモナイザー、トレモロなどの奇抜なサウンドを出してみるのもありでしょう!
まとめ
ペンタトニック・スケールだけでも奥の深い音階であり、これだけでもロックギターが完成されてもいます。
特にビギナーにとっては、どうしても重要性が理解できずに練習をすることになるでしょう。
練習を続けていくうちに、どう聴かせるかを意識するようになっていくかとは思いますが、基本に帰って、ペンタトニック・スケールの重要性を見つめ直すのもいいかもしれませんね。