ヘヴィーなサウンドを好むギタリストであれば、一度は7弦ギターを検討する機会はあるのではないでしょうか?
とは言っても、本当のところ7弦ギターの良さがイマイチ分からないのが本音でしょう。
太い弦が1本増えるだけで、どれほど演奏に影響が出るのか?バリエーションは増えるのか?
今回は私自身7弦ギターのプレイヤーでもあるので、説明したいと思います。
最初の違和感はあれど…
まず、私は7弦ギターを実際に手にして、「ネックが太い!」と感じました。
これが6弦ギターとは違う最初の違和感で、ロック・フォームで弾くは無理だったので、クラシック・フォームに矯正しました。
例えば、下記のフレーズを弾くとします。
この場合はロック・フォームで弾く時、左手人差し指を6弦までセーハする必要があるので非常に難しいです。なので、必然的にクラシック・フォームになるわけです↓
7弦ギターでは弾き方を変える必要性が生じますが、これさえ乗り越えれば、演奏の幅が広がり、演奏が楽しくなると私は思ってます。
7弦ギターを持つべき理由
7弦目の音はレギュラー・チューニングだとB(シ)になりますが、このLow Bサウンドが
7弦ギターの1番の魅力でしょう。
6弦ギターで、このLow Bを出そうとすると、チューニングを2音半下げる必要があります。
そうなると、細いゲージ(009〜042)の弦だと張り具合がベロベロになってしまいます。
だからといって、急に弦のゲージを太く(010〜052)してしまうと、ギターのネックにかかる負担も大きくなります。
そもそも普段から6弦ギターをレギュラー・チューニングで弾いてる人が、急に2音半も下げて弾くこと自体おススメしません!
ですから、7弦ギターは重低音で弾くための優れた楽器で、ギタリストならサブの1本として持っておきたいところです。
そうすれば、チューニングの問題は一気に解決します!
B音を弾きこなせ!
下記のフレーズを見てください。
7弦をスタートに1弦へと上昇していくCメジャー・スケールのフレーズです。
この7弦が1本増えただけで、今まで6弦ギターで弾いてきた“運指のパターン”が少し狂うのではないでしょうか。
「7弦を用いたギターソロなんて弾かない」と思っても、すでに身についたボックス・ポジションにも変化が生じます。
しれっとTAB譜も7本線になってますから、左手のフォームだけでなく、弾き方のスタイルを変える必要があります。
実際に7弦TAB譜を見てギターを弾こうとすると、4〜6弦あたりが困惑しやすく、演奏が上手くいかない傾向があります。
この7弦TAB譜に対する“慣れ“を乗り越えれば、弾くのが楽しくなりますし、重低音の沼にハマると思います!(良い意味で)
5弦ベースも考慮して…
ギターの最低音がlow Bなわけですから、ベースも同じくバンドで合わせたいですよね。
そうなると、ベーシストも4弦ベースから5弦ベースに持ち替える必要があります。
こればかりは不可抗力なところはありますが、自分がやりたい音楽を演奏したいなら、是非とも一緒にやろうと相手を説得して、口説くことも大切です。
向上心のあるベーシストであれば、5弦ベースも弾けるというのは魅力的ですからね。
もしかしたら、演奏技術よりも難しいことかもしれませんが…
プロの7弦ギター・プレイヤーから学べ!
プロのミュージシャンで7弦ギター・プレイヤーで、7弦を活かした有名な楽曲を紹介します。
- スティーヴ・ヴァイ
「Asian Sky」「The Audience Is Listening」「I Would Love To」「The Story Of Light」
- ジョン・ペトルーシ(DREAM THEATER)
「The Dance Of Eternity」「The Enemy Inside」「The Grass Prison」「The Shattered Fortress」
- ジェフ・ルーミーズ(NEVERMORE」
「Born」「Final Product」「This Godless Endeavor」
- BABYMETAL
「ギミチョコ!!」「ヘドバンギャー!!」「ド・キ・ド・キ☆モーニング」「KARATE」「The One」「メギツネ」
BABYMETALに関しては、様々なギタリストがアルバムでゲスト参加しており、8弦や9弦ギターを使用した楽曲もあります。
国内でもNEMOPHIRA、MARDELAS、ISAOなど多く7弦ギター・プレイヤーがおり、徐々に増えつつある傾向にあると思います。
ちなみに、NEMOPHILA「OIRAN」は過去に採譜してますので、要チェックです!
まとめ
7弦ギターは、6弦ギターよりも難しいのは明らかです。
ただ難しくても、7弦ギターに興味がある時点で、今よりも更に技巧に磨きをかけようというギタリストであるはずです。
そういった人なら、7弦ギターを弾くのに慣れるのも早いと思いますし、すぐにテクニックを習得できると思います。
そうでなくても、サブの1本として7弦ギターを手に入れるだけでも自然と弾けるようになれるでしょう。
自分の音楽や組んでるバンドに合わないとか、難しそうだからと躊躇せず、試奏でもいいので、はじめの一歩を踏んでみてはいかがでしょうか。