私は長年ヤングギターを愛読している影響か、同じようなフォーマットでギタースコアも制作しています。
ところが、他の制作者さんはボーカル譜だけでなく、ギターパートの五線譜を省き、TAB譜のみで作られているケースが多くあります。
自分とは違うやり方で作成しているのは当然ですが、どのようなフォーマットが見やすいのか色々と考えさせられます。
TAB譜に五線譜は必要か否かという正解のない、個性が出やすくもある楽譜制作。どれだけ違いが出るのか実例も踏まえながら、深掘りしていきます。
ギタースコアの基本的なテンプレ
はじめに、ギタースコアの基本的なテンプレは下記の画像通りです。
ボーカル譜の五線譜があり、その下にグループでギターの五線譜とTAB譜があります。
コードネームの位置はボーカル譜かギターTAB譜側のどちらかに付く場合があります。
チョーキングなどの奏法に関しては、制作者によって表記方法が多岐にわたるので、省略します。(詳細は過去に投稿した記事へ)
この国内の楽譜出版社が採用している一般的なギタースコアのテンプレート・フォーマットから崩してみましょう。
TAB譜のみのシンプル性
先ほどの五線譜なしのギタースコアが以下になります。
元のフォーマットからは簡略化されており、多少の違和感があっても、これはこれで何も問題はありません。
弾き語りのギタースコアでは、このようなフォーマットで採用することが多くあり、ギターコードをTAB譜に直接表記され、フレット番号のみで、とても見やすいでしょう。
何よりページ数の圧縮にもつながります。編集する側からすると、できるだけページ数は少ない方がいいですからね。
余分なものを省き、TAB譜のみのシンプル性を追求したフォーマットともいえるでしょう。
ただ、このフォーマットは五線譜を省いてる以上、ギタリストが五線譜を読み書きする機会を損失している欠点があります。
これこそが最大のテーマでもあるのですが、私としてはギターはチューニングで音を変えられる楽器でもあるので、TAB譜のフレット番号だけでは把握できない五線譜をキチンと記載すべきだと思っています。
ボーカル譜なし!フレット番号だけ!!
そして、更に簡略化したTAB譜が下記になります。
海外サイト(ULTIMATE GUITAR TABSなど)のTAB譜では、これよりも更にコードネーム、符尾、TAB譜囲みが無い場合もありますので、いかに日本のTAB譜のクオリティーが高いかが分かりますね…
さて、これはこれで全然アリではあるのですが、ギタースコアにおいてTAB譜に五線譜もしくはボーカル譜が無いと、自分がどこを弾いてるのか迷子になる可能性があります。
このギターフレーズは短いから悪くないものの、小節数が増えれば増えるほど、目で追うのが難しくなります。
↑こういうフレーズが永遠と続くと、小節番号が書いてあっても迷いやすいです。
いかに、ボーカル譜が目印としての役割を担っているかが感じるはずです。
まとめ
TAB譜にフレット番号が書いてあれば、五線譜の音名は分からなくても問題ありません。
しかし、音が♯もしくは♭してるか、コードの構成音、オクターブなど、五線譜を見ないと理解できない部分がたくさん出てくるでしょう。
繰り返しますが、ギタリストが五線譜を読み書きする機会を損失するのはよくありません!
これまでTAB譜の五線譜など気にしたことがないギタリストであっても、ほんの少し気に留めるだけで、知らないうちに五線譜が読めるようになるのです!
楽譜に強いギタリストを維持するべく、これから先もTAB譜に五線譜は必須でしょうね!
【ギタースコア】TAB譜に五線譜は必要!