今回は私が読んだギタリスト向けの音楽書をレビューします。
記念すべき第1回目は「ヴァイデオロジー ギタリストのための初級音楽理論」です。
スティーヴ・ヴァイがレクチャーする音楽理論書
この書籍の強みは何と言っても、ギターヒーローでもあるスティーヴ・ヴァイ本人が書き下ろしていることでしょう!
彼はアメリカの名門校バークリー音楽院を卒業しているし、フランク・ザッパの門下生でもあります。
ジョー・サトリアーニが師でもあり、みっちりと音楽理論を体得しているし、奇抜で卓越した演奏は常に度肝を抜かれるものばかりです。人柄も良いですからね!
スティーヴ・ヴァイに憧れて、ギターを始めた人も多いことでしょう。
ご本人が執筆したとなれば、ファンは買わずにはいられません。
私もその1人なので、改めて本書と向き合ってレビューしたいと思います!
初級音楽理論ですよね…?
ロック・ギタリストは理論なんぞスキップして弾きたい人ばかりです(笑)
しかし、スティーヴ・ヴァイほどの権威あるギタリストであれば馴染みやすいし、ギター・キッズとしては取り組むキッカケにもなります。
ヴァイデオロジーのタイトルには「ギタリストのための初級音楽理論」とありますので、きっと分かりやすいはず!
さて読み始めると、まずは謝辞があり感慨深いと思いながらページをめくると、スケールの学問的研究…?経験的研究について…?あれ…?
なんだか思ったよりも文章が多く、ギタリスト向けにしてはTAB譜が少ないなと思いました。
横文字での日本語翻訳が違和感はあるものの、初級者向けにしてはコードやスケールの構成音の度数についての解説が多い印象を感じました。
本当に初級者向けなんですかね…?
全体的に五線譜と文章が多く、これはスティーヴ・ヴァイが著者じゃなきゃ、恐らく初級者は投げ出したくなるのではないでしょうか…(苦笑)
学術的な音楽書
本書をしっかりと読み込むと、「なるほど」と感じる部分はたくさんあります。
スティーヴ・ヴァイ独自の音楽に対するコード、リズム、グルーヴの考え方やフィーリングは興味深いです。
しかし、それは基本的な音楽理論を知っている前提があって面白いと思います。
そして、日本人ではないアメリカ人目線の視点から解説している奥深さも一理あるでしょう。
とにかく、音楽理論書をはじめて手にするギタリストにはオススメしません。ある程度の予備知識を習得した段階で読んだ方がいいです。
特に五線譜に対してアレルギーがある人は、TAB譜で丁寧に解説してる国内の音楽書から始めましょう!
スティーヴ・ヴァイ奏法の本ではない!
おそらく、熱心なスティーヴ・ヴァイのファンであれば、音使いやテクニックなどの真髄を期待したでしょう。
ヴァイならではの「御用達のリディアン・スケール・プレイ」「ハーモニクス&アーミング・プレイ」「エスニックなスライド・テクニック」「超絶タッピング・フレーズ」などなど…
私も期待しましたが、そういうのはヤングギターのバックナンバーで留めておきましょう…
まとめ
著名人が執筆したなら間違いないと思っても、自分が予想していたのと違うことはあります。
私自身もスティーブ・ヴァイ本人が執筆してなければ、おそらく本書を最後まで読んでいないと思います!(苦笑)
もしタイトルに”初級”という文字がなかったら、高く評価していたかもしれませんが、初級者向けの優れた音楽理論書は他にも数多くありますからね。
ファンとしては、私も含め手元にずっと残しておきたい1冊であるので、これからも時折読んでいきたいと思っています。
音楽書であっても”誰”から教わるかは重要です!