イングヴェイ・マルムスティーンが実際に使用しているシグネチュア・モデルで、ダンロップ社が発売しているイングヴェイ・ピック。
イングヴェイ・フォロワーであれば試した機会はあるのではないでしょうか?
ただ、このピックって本当にイングヴェイのようなネオクラシカルな速弾きに適しているのでしょうか?
そして、万人向けなんでしょうか?
今回は私が普段使っているピックの代わりに、イングヴェイ・ピック(2.0mm)を使って速弾きに適しているのか検証してみたいと思います。


ギターはストラトを使用して、音源はすべてガレージバンドにあるBrowne Tone Metal(いつもの)のセッティングで、余分なエフェクトやミックスもしていない素の状態で録音しました。
BPM=120で弾いています。教則本みたいな仕上がりになりましたが(笑)、宜しければご参考ください。
ブリッジ・ミュート

Ex-1はヘヴィ・メタルの要となるブリッジ・ミュートによる16分音符フレーズです。
リズム・ギターでは息を吸うように弾いてると思いますが、イングヴェイ・ピックを使用して弾くと音が非常に太くなり、粒立ちが良くなります!
特にヘヴィなサウンドを求めてるギタリストにとっては、弦のゲージを太くして、イングヴェイ・ピックで弾けば、かなり気持ちのいい弾き心地が得られるのではないでしょうか。
厚さが2.0mmというだけあって、ピッキングのストロークに違和感はあるでしょうが、これは普段使いのピックによる影響ですので、”慣れ“で解決するしかないですね。
とにかく低音の弦で弾くには気持ちがいいです!
リニア・フレーズ

Ex-2はネオクラシカル御用達のAハーモニック・マイナーのリニア・フレーズです。
基本的にフル・ピッキング系のフレーズなどは、ピックの厚さが薄い方がピックのストロークが短くなり、その分速く弾けるものです。
このようなフレーズは左手を横移動して、右手をフル・ピッキングするので、厚めのイングウェイ・ピックでは少し弾きにくいと感じました。
高音弦は低音弦よりも繊細なところがあるので、厚めのピックでガシガシと弾くには不利ではないでしょうか。BPMが高いほど、正確に音を出して弾くのは難しいです。
イングウェイ本人は軽々と弾いていますが、やはり”本物”には敵いませんね…
リニア・ワープ

Ex-3は6連の16分音符の”カタマリ”を下向して弾くリニア・ワープです。
横移動よりも上下移動のフレーズの方がイングウェイ・ピックは適していると感じました!
弦移動によるフレーズは意外にも相性がよく、割とスムーズに弾くことが可能でした。
ちなみに、こうしたフレーズは本来レガードによるノン・ピッキングの方が速く弾けるものですが、あえてピッキングするのであれば、1拍ごとのアタマ部分のアクセントを意識して弾くといいでしょう。
3本弦スウィープ・アルペジオ

Ex-4は3本弦によるスウィープ・アルペジオで、Em→D→Cの型で弾いたフレーズです。
スウィープ・アルペジオはギターサウンドのセッティングも意識しないとグチャグチャな音になってしまいがちです。
その点を気を付けて弾いても、イングウェイ・ピックは”掃く(sweep)“フレーズにふさわしいと感じました。
1.0mmピックと比べると、音が太くなって深みが生まれますが、弾きやすさが少し失われるので、どう使い分けるかが難しいところです。
5本弦スウィープ・アルペジオ

Ex-5は5本弦によるスウィープ・アルペジオで、Gm→Amの型で弾いたフレーズです。
3本弦スウィープ・アルペジオと感想は同じです。
ただ、5本弦の方がスウィープ・ピッキングは弾きやすく、ダウン&アップのストロークが非常に心地よく感じました。
イングヴェイ・ピックはエッジがカットされているので、その影響が凄く感じやすかったのだと思います。
まとめ
ここまでネオクラシカル・フレーズを弾いてきましたが、結論としてイングウェイ・ピックは速弾きに向いたピックです!
ただし、万人向けかと問われると疑問に残ります!
今回検証して思ったことが、実はイングウェイ・ピックって素材がデルリン製なんですが、これって結構握った時にスベりやすいんです!
これさえ気にならなければ、かなり優れたピックだとは思うんですが、なので私は専用の滑り止めシールを貼りました↓

このPICKSTICKでスベり問題は解決されます。
なので、イングヴェイ・ピックを試したい方は是非ともご検討ください!