DLmarketという楽譜販売サイトをご存知でしょうか?
私は現在Piascoreやmucomeで楽譜販売をしていますが、かつてはDLmarketというプラットフォームで販売していました。
サイト自体は閉鎖されてしまい、閲覧することはもう不可能ですが、実はかなり優秀なプラットフォームだったんです。
今回は過去の体験談を踏まえて詳細を語ります。
DLmarketとは?
まず、DLmarketは株式会社オールアバウトの100%子会社で、2006年11月にオープンした、デジタルコンテンツを自由に売買できるダウンロード販売専門のマーケットプレイスでした。
強みは何といっても楽譜データ、電子書籍、クリエイター向けの制作素材、学習教材、ソフトウェア、電子チケットなどが豊富でした。
中には高額で怪しい情報商材もありましたが、楽譜のコンテンツは結構充実していました。
JASRACに登録されている著作権のある楽曲は包括契約により、特別な許可なく販売できるのは当時は画期的でした!
また、今ほど規制が厳しくなかった部分もあり、外国作品の楽曲であっても販売できたことが驚きました。今だと色々申請手続きがあったり、楽曲の使用自体を禁止していることが多いですからね…
何より購入者側も販売者をキチンと見極めれば、いい買い物が出来るプラットフォームだと改めて思います。
マーケティング・ツールが優秀だった!
DLmarketは電子データであれば何でも販売できることは最大の強みでした。
それよりも優秀だったのはマーケティング・ツールが充実していたところです。
商品をお買い得に購入できるセット販売とタイムセールの機能が充実していました。
- セット販売
複数の商品をまとめて販売できるセット販売は良かったです。
商売の基本ともいえる「これも買えば安くなる」ということをウェブ上で簡単で自由に設定できました。
「5部セットで¥8,000→¥6,980」みたいなことができるのは画期的でした。
- タイムセール
期間限定でタイムセールをすることもできました。
これもセット販売と同様に「12/31まで¥10,000→¥4,980」という打ち消し線を使って、期日限定まで購入を促す機能が使えました。(やり過ぎは禁物でしたが…)
アフターフォローも優秀だった!
販売者から購入者向けに商品のアップデート通知やメルマガの送信をできるアフターフォローも優秀でした。
- アップデート通知
販売している商品をアップデートした場合、すでに購入している人向けに一斉送信でアップデート通知できるところは非常に良かったです!
ダウンロード商品は一度購入すると、対象の商品に購入制限がかかって、再度購入する場合は料金が発生します。
しかし、アップデートをした場合は購入者は料金を再度払う必要もなく、再度ダウンロードができるのです!
販売者目線からすると、手直しを加えたいケースがあるので、販売した後でも救済措置があることのメリットは大きいです。
- メルマガの送信
DLmarketでは、仲介で購入者にメールマガジンを送信できました。
↓実際に私が発行していたメルマガです。
当時はソロギターアレンジのTAB譜を販売して、それに関連する内容を執筆していました。
このメルマガ機能は本当に良く、顧客とのコミュニケーション・ツールとして使用していました。
もちろん、配信のON/OFFの切り替えは購入者が自由に決めれるので、メルマガでのトラブルはありませんでしたし、住所の記載をする必要もありませんでした。
そして閉鎖へ‥‥
楽譜販売者として順調だったものの、1通の恐ろしいメールが届きました…
「クレジットカード情報の流出!?」
突如として完全にサービスが終了することを告げられました。
当時はこれに変わるプラットフォームなんて存在しないと思いましたし、また復活するんじゃないかという淡い期待もありました。
残念ながら、その時は来ず。改めて代替となる販売サイトを見つける必要がありました。
個人で楽譜を販売しようとなると、著作権のある楽曲は使用許可を得る必要があるので、ハードルが非常に高いですからね。(過去の参考記事)
Piascoreに事業譲渡へ
そして、またしても一通のメールが…
「電子楽譜の販売」がPiascoreに事業譲渡するということで、プラットフォームを乗り換えるタイミングとなりました。
Piascoreのことは事前に知っており、何曲かは販売登録していましたが、新規事業で会員数も少なかったためか、期待値はあまり高くはなかったです。
あれから5年が経ち、Piascoreは着実に会員数を増やし続けて、国内でも上位となる電子楽譜販売サイトになりました。
まとめ
DLmarketが閉鎖してから、楽譜販売サイト(個人販売できる)はPiascoreとmucomeの2強という印象を感じます。
ただ両者とも、DLmarketのようなマーケティング・ツールやアフターフォローが実装されていません。
改善すれば、まだまだ伸び代があるように思いますが、こればかりは運営に期待するしかありません。
両者のプラットフォームを長年使って、許容範囲内で販売促進はしていますが、たまにDLmarketの機能が欲しくなる時があります(苦笑)
今回はそんな優秀なサイトのユーザーだった私の体験談でした。